忍者ブログ
ダメ人間のオタク浪人のブログ・9つ目。
[41]  [40]  [39]  [38]  [37]  [36]  [35]  [34]  [33]  [32]  [31
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

『紐育時報』09年5月15日


Texaco(2001年にChevronが買収)は、数十年前、石油掘削の際生じる廃棄物を穴に投棄していた。


テキサコ社が去ってからはもう随分になるが、エクアドル北部の数十の廃棄穴において、黒い液体が表土に浸み出している。


シェヴロンは、Lago Agrioの判事が行った決定に対する対応の準備を進めている。なお、Lago Agrioは、1960年代にテキサコがアマゾンでの基地としており、汚液が多い。元軍人であるこの判事Juan Nuñez氏の住民に対する同情は想像に難く無く、彼は今年もシェヴロン敗訴の判決をする可能性が高い。


しかし、彼の決定によってもこの裁判は終わりそうにない。既に、華盛頓では活発な陳情活動が行われており、シェヴロンのためにエクアドル政府に圧力をかけようとしている。シェヴロン側は敗訴すれば控訴し、必要とあらば国際仲裁を求める構えである。テキサコは1960年代にこの地に権益を持ち、1970年代の、エクアドルが未だに軍事政権下にあった時に石油の採掘を始めた。石油の採掘が始まる以前は、この地は、CofánやSiona-Secoyaなどを含む無理の部族によって居住されていた。


軍事政権と共同してのテキサコによる石油採掘には、常に政治的緊張がつきまとってきた。そして、テキサコが撤退を決めた1990年代には、土地の浄化が必要になっていた。そこで、テキサコはエクアドル政府と4000万弗の合意を行い、集中地区における油井と廃棄穴の一部の清掃を行うことによって、将来についての免責を得た。しかし、1990年代に行われた浄化は、満足にたるものからはほど遠いものであった。


エクアドルの村人達は、自分たちの病気が残された汚染物質によるものだとの確証を得、1993年に合衆国で提訴した。アメリカでの訴訟は、これが合衆国で行われるべきではないとの理由で却下されたが、原告は改めてエクアドルで提訴を行った。


現在では、テキサコはシェヴロンに吸収され、一方、エクアドルでは、左派Rafael Correa大統領の政権が成立している。大統領は繰り返し原告側に立ち、過去にシェヴロンがエクアドルで行ってきたことを、「人道に対する犯罪」と呼んでいる。


原告側は科学調査の結果を引用して、テキサコの廃棄穴から出たベンゼンを含む有毒な廃棄物が、数十年にわたって土壌・地下水・川を汚染したと主張している。地質学者であり法廷によって任命された専門家であるRichard Cobrera氏が作成した報告書では、この密林地帯において1400人(おそらくはもっと)が、石油汚染による癌で亡くなったと見積もっている。


シェヴロン側は、これに対して反論する。シェヴロン側は、Cobrera氏は、癌による死の補償のためだけに29億弗支払うべしとすることについてなんら医学上の証拠を持っていないと主張する。この訴訟の主要な争点は、環境浄化であって、癌による死ではない。だが、癌についても熱い議論が戦わされている。特に、カリフォルニアの裁判所が2007年に別の訴訟を斥けて以来はである。この事件において、裁判所は、原告である弁護士Christobar Bonifaz氏によって提出された証拠が虚偽あると理由で原告の主張を斥けた。Bonifaz氏は、1990年代のテキサコ社との闘争においては助力する所が大きかったが、現在は訴訟に関わっていない。


他のほとんど全ての点については争われているが、たった一つだけ一致点がある。それは、石油採掘の拡大が、北部エクアドルのかつての原生林を台無しにしたということである。40年以上経つと、Lago Agrio及び地域の他の町周辺の油井における汚染の証拠は避けようがない。テキサコによって掘られた幾つかの廃棄池は、有毒な掘削汚泥と原油の混合物を湛えて白日の下に晒されているが、そこからは近くの水系に汚液が浸み出している。


他の廃棄穴は、テキサコが表面上は浄化を行った後、エクアドルの国営石油会社Petroequadorに移譲したが、表面付近に種々の量の汚染物質があり、両陣営の科学者の間で、その正確な程度とその健康への影響が争われている。


ペトロエクアドルも、環境についての実績は芳しくなく、1990年代以降、少なくとも800以上の原油漏れについて批判を受けている。シェヴロン側は、ペトロエクアドルによる引き継ぎ以後に起こったことや、エクアドル政府による辺境密林入植計画に起因することには責任を持てないとしている。この植民計画は、1970年代に、テキサコが建設した道路を使って4万人以上の入植者をこの地域にて移住させるというものであった。


原告側は、テキサコが過去に操業していた場所における損害には、テキサコが責任を持つべきだと主張している。テキサコによって作られた一連の設備が、ペトロエクアドルによる汚染継続を可能にしたという論理によってである。原告側の弁護士Steven Donziger氏は、もしシェヴロン側がそれを問題とするのならば、シェヴロンがペトロエクアドルを訴えるべきであるという。


損害の潜在的な大きさにもかかわらず、シェヴロンはその支払能力に問題は無いと言っている。


エクアドルの司法長官は、昨年、シェヴロンの弁護士二人を、テキサコが廃棄穴の浄化を行ったと詐欺的に証明しようとしたとして起訴した。


シェヴロンは、産業弁護士と陳情家を動員して反撃しており、元合衆国通商代表Mickey Kantor氏や、クリントン政権下の公邸職員長だったMack McLarty氏らの高給の人材を使っている。そうして、オバマ政権に、エクアドルがテキサコ/シェヴロンに対しての責任免除の合意を破ったことを理由に、エクアドルから最恵国待遇を剥奪させようとしている。

PR
カレンダー
04 2024/05 06
S M T W T F S
1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31
カテゴリー
フリーエリア
最新コメント
最新トラックバック
プロフィール
HN:
No Name Ninja
性別:
非公開
バーコード
ブログ内検索
P R
アクセス解析
忍者ブログ [PR]